朝、窓を開けると先日の夜にも会った猫がいて、「大福」と呼ぶことにする。「ライオン」以来の近所の野良猫。飼い猫とちがって公園で暮らしているみんなは顔つきと体格が明らかに厳しいけれど、大福はまだ年齢が若いのか少し油断のある顔をしていて可愛い。私は野良猫に勝手に名前をつける時、なるべく豪華で壮大な名前をつけるようにしている。次に用意している名前は「すずなり」。
風はすっかり秋の匂い。半袖では肌寒く感じられ、長袖のシャツを着る。それでも一応まだ八月なんだしパンツは海の柄でもいよね、と秋と夏を半分ずつ。先取りしたい気持ちと名残惜しむ気持ちの両方。インスタグラムの投稿をしてから、動画の音声を消したかったのにその方法を間違えていて、また一から全て書き直すのが億劫でそのまま投稿してしまう。こういう小さな妥協について、許容範囲について、選んだ方と選ばなかった方について、思考の細波に揺られる。
午前中は原村のアオキくんの小舎に行って、帰りしなローリング市場に荷物を降ろしに行くと、偶然ICCOのアイちゃんがいて、そのあと偶然オドル組が来る。なぜかいつも引き寄せの偶然で笑ってしまう。13時過ぎに店に戻ると、ちょうどタイミングよく見えたお客さんは徳永さんだった。静岡からすごくすごく久しぶりに顔を見せてくれて嬉しい。私はチェコのスカラベのガラスビーズを、誰かにあげるのだと思いながら引き出しにしまっていたのだけど、それは徳永さんだったと思いつき渡す。こういうなぜかわからないけどそうなのだとわかることに背かないことが、自分の作品においては重要なポイントとなっている。
一昨日のタックさんのお誕生日には、何も申し合わせていないのに次々とそれぞれのタイミングで皆がお祝いを伝えに現れる。タックさんはあまりにもみんなが来てくれるから何度も「俺は明日死ぬんじゃないか?」と言っていて、怖いくらい幸せなんだと思った。ハルとノエ、グレとミオちゃんと、なっちゃんとかずき、最後はナオくんとモユ子ちゃんとランちゃんまでやって来たのだから。当然私たちもタックさんと同じ気持ちになる。お店を続けてこられて本当によかったね。ところで、写真は小口家の墓。そう名を刻むことすらない河原で拾った自然石が墓石なのである。ヤッチョが子どもの頃の小口家はとても裕福でお寺にはお祖父様の名前が大きく記されるような檀家だったから、私は初めてお墓に連れて行ってもらった時にはとても驚いたし、一目でこのお墓が大好きになった。平和な原っぱに小動物を弔うのと同じようにしてこの石の下にご先祖さまは眠っている。
曇り空の隙間に馴染まない青空がわずかに覗いて、風も台風を感じるあたり。どう見ても草花が秋を伝えるようになってきた。トンボもたくさん舞い出したけれどセミも負けじと鳴いている。久しぶりに、通勤途中の道すがら富士アイスでじまん焼きを買う。真ん中ではない端っこの季節。片隅に咲いている花を愛おしく思う盆の入り。
昨日の眩い月夜。今日は台風が近づいているというお天気で、どんよりと蒸し暑い。ちまちまとボタン付けの繰り返し。夕方、あずさに乗るサガワと見送るグレが寄ってくれたり、増田ファミリーが和歌山のお土産を持って寄ってくれたりする。万ちゃんのカブトムシはまだ元気だそうで良かった。
実家の畑で採れたトウモロコシとプチトマトをもりもり食べる朝。公園はいつもより賑わっている。ああ、山の日なんだ。山の存在が身近すぎて海の日ほど盛り上がりに欠けるけど、山よ、いつもありがとう。
昨晩は、増田家との夏の恒例行事としてのカブトムシ狩りに行く。なぜかメスはたくさん捕れるのに、オスはなかなか見つからない。最終的にはいつもの穴場に行って、大人6人がかりでまるで釣り堀のように虫をいっぱい捕まえた万ちゃんは大満足で帰って行った。今日は午前中からICCOのアイちゃんのアトリエ訪問、あゆみ食堂で美味しいランチ、そしてアノニムギャラリーの搬出の続き。アノニムでは偶然にも知り合いばかりに遭遇しながらメキシコの玩具展を見る。帰りは涼しい道にしよう、とアイちゃんが霧ヶ峰経由で下諏訪まで送ってくれる。半分夏休みのような一日。
3人のうら若きお姫様が、我が城に見えて色ガラスの砂遊び。休憩にひとりの姫の玉手箱から取り出された、桃源郷にしかない高貴なお菓子を皆でいただく。そのうっとりする景色と広がる水彩画のような味わいに、時に感嘆したり囁いたりする声が宮殿に響く。夢だったんじゃないかと思うような「白樺」の桃一丸のケーキ、ご馳走さまでした。立秋の今日はピロちゃんからも胡瓜とジャガイモをもらうなど、連日誰かに夏野菜をもらっている。野菜には全く困らないありがたき信州の夏。そして短い信州の夏。
8時15分、町内放送に合わせて黙祷。私の父が生まれたのが昭和20年の2月だから、77年前の今日、父は生後6ヶ月だったのだ。おばあちゃんのすごい所は、そんな嬰児を置いて自分だけ防空壕に入り、おじいちゃんのお姉さんに物凄い叱られたという話で、置き去りにした理由が「あんな狭苦しい場所に連れ込むのがかわいそうだったから」ということ。先日は岡谷のスカラ座で映画『ベイビーブローカー』を見る。グレに教えてもらって観に行ったのだけど、とてもよかった。とてもよかった、で片付けないとしたら、この映画をとてもよかったと思える自分でよかった。
昨夜の宵祭は中止で、今日のお舟祭も神事の行列のみという静かなお引っ越し。お直しの常連さまや、ピロちゃんがもんぺとTシャツの搬出したものと貸していた什器を届けてくれる。たった3日間の巡回展でしたが、松本方面でご覧いただいた皆さま有難うございました。夕方は忠弘さんが寄ってくれて、松本のお土産などまた頂戴してしまう。
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